先週9月7日、上田市医師会主催の救急の日に行われた講演会に講師としてお招きいただき、「救急で遭遇する大動脈疾患」のタイトルで1時間の講演をさせていただきました。
平成9年に当時の国立長野病院に赴任時、救急部副部長として上田広域の救急隊の方々と活動をさせていただきましたが、その頃の懐かしい方々もたくさんきていただきました。
さて、突然発症し、発症と同時に極めて命の危険が高くなる大動脈の病気を最近は「急性大動脈症候群」と呼んでいます。大動脈の壁がはがれてしまう急性大動脈解離、徐々に拡大した大動脈瘤が破裂してしまう「大動脈瘤破裂」などが含まれています。
急性大動脈解離や胸部大動脈瘤の破裂では突然、これまで経験したことのないような胸や背中の激痛を生じ、時には意識を失ってしまうことで発症します。激しい胸痛は、心筋梗塞の場合と同様ですが、痛みが背中からおなかのほうに移動したり、足の強い痛いを合併する場合などには急性大動脈解離が強く疑われます。おなかの大動脈瘤の破裂ではお腹や腰の強い痛みが症状となります。
発症から早期に命の危険をきたすことが多く、まさしく救急対応がとても大切な病気です。初期の判断の大切さを参加者の方々と共有しました。
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