2018年9月5日水曜日

スタッフインタビュー vol1. 看護師・青木麻美 「看護師になりたいと思ったことはなかった」


クリニックにお越しいただく皆さんと、スタッフ一同、普段、コミュニケーションをとる機会はありますが、私たちのライフヒストリーについてお話することは滅多にありません。スタッフ同士でも、意外と知らないこともあります(笑)。

皆さんに、より安心して、クリニックにお越しいただき、お話いただけるよう、スタッフのインタビュー記事を連載してまいります。第1弾は、看護師の青木麻美です。




Q:看護師になろうと思ったきっかけは何ですか?

 実は看護師になりたいと思ったことは1ミリもないんです(笑)。父親から「女は手に職をつけろ」と言われていて…。ちょうど私が高校を卒業する時は就職氷河期だったので、女性でも地方でも自立してできる仕事を考えた結果、選んだのが看護師でした。「食いっぱぐれないかな」みたいな不純な動機で進んだ道だったので、看護学部に入ってから、やめたくて仕方ない時期もありました。都会の大学に進学した友人たちがキラキラして見えて、自分だけ置いてきぼりになっている感じがしてしまったんです。専門学校をやめて、都会の大学を受け直そうかと本気で考えていました。

 でも、実習で患者さんと接するなかで、自分はもしかしたら看護師が向いているかもしれない、楽しいかもしれないと思えたんです。人の話を聞くのが嫌いじゃないし、多様な人の人生に触れることができて、そこから教わることも沢山あったので。だからもうちょっと頑張ってみようと思いました。

Q:看護師さんも何科に進むかは自分で決めるんですか?

 そうですね、学生の時の実習でいろんな科を回ります。私はそのなかでも外科が良かったんです。内科は癌など、どんどん元気が無くなっていく疾患も少なくありません。一方、外科は、患者さんが回復していく姿を見れる機会が多くて、「退院できてよかった」と一緒に喜べるのがいいなと思いました。それで佐久総合病院(現:佐久医療センター)の外科に就職して、計67年勤めました。

Q:長年勤めた佐久総合病院を辞めて、今回、佐久心臓血圧クリニックに移ることを決めたのはなぜですか?

 院長から声をかけてもらったのですが、これまでと変わらない安定的なものを求めるのか、新しいことに挑戦していくのか、やはり悩みましたね。でも院長も60歳で開業したわけじゃないですか。自分のことを振り返ってみたら、これまで、新しいことに人生をかけるような挑戦をしたことがなかったなと思って…。幸い、家族も応援してくれたので、じゃあチャレンジしてみよう、と踏み出すことができました。

Q:実際にクリニックで働いてみて、大きな病院に勤めていた頃との違いはありますか?

 大病院だと、入院して治療して回復したら、それで「さようなら」をして、もうお会いする機会がなくなります。でも、クリニックでは、もっと継続的に、患者さんと長いお付き合いをできるところが、一番大きな違いだと思います。

 あと、病院の場合は基本的に、病気になった後の患者さんがいらっしゃいますが、ここでは、病気になるより前の“予防”にも関われる点も特徴だと思います。今年、院長に勧められて、師長と一緒に「高血圧・循環器病予防療養指導士」という資格を取得したのですが、これも高血圧や動脈硬化など、慢性的な疾患に対する生活習慣改善のアドバイスを、より手厚くできるようクリニックとして目指しているためです。



Q:この先も、看護師として挑戦してみたいと思うことや、目指していることはありますか?

 患者さんお一人お一人が持っている力を、最大限に引き出せるような関わり方をもっと身につけたいですね。やはり私たち医療従事者が押し付けて伝えるだけではだめで、患者さんご自身が意識や生活習慣を変容させて、ご自分の病気をコントロールできるようにすることが大切だと思っているからです。そのためのコミュニケーション方法や、適切な知識をもっと学びたいです。また、高血圧や循環器系のことだけでなく、糖尿病など他の慢性的な疾患に関する知識ももっと増やしていきたいと思っています。

Q:看護師になってよかったと感じるのはどんな時ですか?

 やはり患者さんがよくなることが自分のモチベーションに繋がりますね。「このクリニックに来てよかった」と言ってもらえた時や、患者さんの身体状況が当初より改善されると、本当に嬉しいですね。

 患者さんの多くは地元の方なので、皆さんに健康になってもらえれば、自分がこれまで過ごしてきた地元への恩返しにもなるのではないかなと思っています。

Q:一般的な職業より生死を身近に感じやすいお仕事かと思いますが、看護師の仕事がご自身の生き方に影響を与えたところはありますか?

 そうですね。常にについて考えたり感じたりするようになりました。明日生きている可能性は100%じゃないって。死生観について家族で話すことも多いです。お葬式をどうするか、とかも今から話しています(笑)。患者さんとも、またお会いできる100%の保証はないので、毎回、自分のその時のベストを出したいと思いますね。


Q:普段はなかなか伝えられていない、患者さんたちへのメッセージはありますか?

 ときどき、口うるさく言い過ぎちゃったかな、と思う時があるんです。押し付けがましく言ってしまって、「またあの人あんなこと言っている」って煙たがられているんじゃないかなって…。愛情ゆえではありますが、一方的すぎて、患者さんの気持ちを考えないで言ってしまったかなと。実は内心びくびくしています、とお伝えしておきたいですね。


Q 今年で看護師になって10年目とのことですが、10年前の看護師になったばかりの自分に一言伝えるとしたら…?

 10年前は自分のことでいっぱいいっぱいで、仕事を楽しむ余裕がありませんでした。先輩の指導も、今思えば当たり前のことを言われていたのですが、当時はつらくて、辞めたいと思った時期もありました。

 でも、年を重ねるなかで、人間的に成長できる部分もありますし、結婚や出産など自分の人生経験も増えていくと、患者さんのお話や気持ちにも、もっと寄り添えるようになっていくと感じています。だから、10年前の自分には、「辞めないで、がんばれ」って伝えたいです。



〜番外編〜


Q:もともと生まれ育ちも佐久ですか?

 そうです。中学も高校も専門学校も佐久で、佐久から出たことがありません。佐久が特別好きだったわけではないのですが、都会に遊びに行っても、自分は住める気がしなくて、地元のほうがやはり安心感があっていいですね。都会と違って何もないですが、それがいいって今は思います。

Q:子供の時はどんな子でしたか?

 気が強かったと思います。弟が二人いるのですが、弟たちはおっとりしたタイプで、私が強いお姉ちゃんという感じ。あとは、八方美人なところがありますね。あまり自分のことを押し通さないというか、どこに対してもいい顔をしてしまう。今もそういうところがありますが、前に比べれば自分の意見をちゃんと持ったり、それを外に出せるようになった感じはします。

Q:お休みの日はどんな風に過ごされますか?

 掃除と洗濯をします(笑)。好きでやっているわけではないですよ。あ、でも洗濯は好きですね。夏場の休みの日は、シーツやら何やら片っ端から洗うので、5回くらい洗濯機を回します(笑)。逆に、洗濯物がちょっとでも溜まってくるとストレスですね。

Q:健康に関して普段気をつけていることはありますか?

 なるべく運動するように心がけています。夏の間はさぼりがちですが、なるべくウォーキングやスクワットなどをしています。塩分をはじめ、食事も結構気をつけるようになりましたね。野菜もドレッシングをかけずにそのまま食べたり、全体的に調味料をなるべく使わないようにしています。
 普段、患者さんに指導しているので、自分も実践していないと言いづらいじゃないですか(笑)。特にクリニックでは、前以上に患者さんとの距離感が近いので、一層気にかけるようになりましたね。患者さんとのコミュニケーションが私の健康を守ってくれているかもしれません。

Interview & Text & Photo / Ai.A

2018年8月28日火曜日

越後妻有アートトリエンナーレ

ブログの更新がなかなかできませんでしたが、今回は私の好きな現代美術の話題を。
クリニックには、いくつかの美術作品や美術ポスターを展示していますが、私は、30年近く、現代美術の鑑賞をすることが一番の趣味です。
8月の連休に、越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました。妻有は、長野から向かうと、長野県最北端の栄村から入った津南町や十日町一帯を言います。トリエンナーレというのは3年に1回のイベントなのですが、すでに20年近い歴史があり、東京23区(約620km2)より広い760kmの広い里山地域にアート作品が点在しており、ガイドブックを見ながら車で移動です。
 印象に残った作品をいくつかご紹介します。
 現代美術は「難しい」と思われる方もいるかもしれませんが、子供でも楽しむことのできるすてきなアートイベントです。私は、7回とも見に行っていますが、何回いっても里山の景色とともに、新たな発見があり、楽しい夏休みになりました。
 会期は9月17日まで。佐久からは高速道路を飯山インターでおりて、2時間半程度。ぜひお時間のあるかたはチャレンジしてみてください。



妻有里山現代美術館の広い中庭のレアンドロ・エルリッヒの作品。
ある1カ所にたつと、建物が湖に写っているようにみえる作品です。
絵本作家田島征三の絵本と木の実の美術館。
昔の小学校がそのまま美術館に変身しています。
景勝地清津峡の観光トンネルの先端には清津峡の景観を反転して移す「水盤鏡」が。
人が多くて、ゆっくり見ることができませんでしたが、今回の1番人気でした。

無人の駅に設置された、双子の大きな石。
これも美術作品です。



2018年7月22日日曜日

第3回 レストラン ル カレ共同企画 減塩フレンチと健康教室:今回のテーマは「心臓病」と「カロリーの知識」

フレンチレストラン ル カレさんとの共同企画 減塩フレンチと健康教室第3回はお料理のテーマは「夏の野菜」健康教室は共通テーマは今回はなく、下記の内容です。
今回のお料理は前菜は地元野菜を使ったガスパチョ、メインのお料理はブタ肉です。
今回はまだ、試食ができていないため、写真はガスパチョのみですが、期待大ですよ。

前菜のガスパチョです。

開催は下記の2日です。(内容は同じです)


初回、2回目とも大変好評で、2日間とも満席でした。完全予約制ですので、ご希望の方はお早めにル カレさんにご予約ください。

開催日時:8月4日(土曜日)、9月8日(土曜日)
開店:12時、お料理の開始は12時30分頃
会場:レストラン ル カレ
   佐久市中込3020-2 グリーンポートさくらい2階(佐久市役所南側)
   TEL:0267-77-7605

料金:2000円(税込み)

当日のおおよその予定
12:30~13:45 ランチ
13:45~14:10 シェフによるお料理教室(オープンキッチンでのデモンストレーション)
14:10~15:00 健康教室
   「心臓病を見落とさない・こんな症状に注意」
      講師:竹村 隆広(佐久心臓血圧クリニック院長)
   「毎日の健康づくりのために~カロリーの基礎知識~」
      講師:管理栄養士

心臓リハビリテーション学会に参加してきました。

7月14、15日は休診にさせていただき、横浜で開催された心臓リハビリテーション学会に参加してきました。昨年までは心臓血管外科関係の発表や、術後のリハビリテーションなどの勉強を目的として参加してきましたが、クリニック開院後は初めての参加です。


会場はパシフィコ横浜、外は猛暑でした

クリニック開院後の初めて学会発表として、当院での「重症心不全の患者さんに対する遠隔診療を使った取り組み」をポスターにて発表しました。




また、今回は在宅や、1次予防などに関する発表を中心に演題を聞いてきました。1次予防に関するパネルディスカッションでは、三島の市長さんが三島市の取り組みを発表されましたが、市民に運動などを啓発し疾患予防にを目指す様々な取り組みには、素直にすごいなーと驚きました。佐久地域の行政の取り組みははっきりいって、良く知らない部分が多いのですが、大切なことは、普段健康意識の低い方々に、どうやって医療情報を提供し、また、減塩や運動などの取り組むを浸透させていくことができるかであることがよくわかりました。1クリニックでは困難な課題ですが、昔の栄光がくずれる危険のある現在、佐久でも考えていなくてはならない問題と思います。

2018年7月20日金曜日

クリニックに現れたカエル君のお話


当クリニック診察室には、北側に大きな窓があり、小さな庭があります。(来院された方は気づかれているでしょうか?)

629日 その庭のあじさいにカエルを発見しました。ちいさなアマガエルが2匹。どこからやってきたのでしょうか?クリニックへの珍しい来客者しばらく見守ることにしました。


72日 カエルが、な・なんと大きくなっています!これは、大変。肥満体型のカエル君。うちで言うメタボリックシンドロームのカエル君です。運動不足かな?ただの食べ過ぎ?



雨の日も、風の日も、ここ数日続いている猛暑にも耐え日陰を選び葉っぱにのっています。

ときに3匹に増えていることもあります。

717日 以前のメタボのカエルは何処へやら?小さくなりました。お腹いっぱい食べた後だったのでしょうか。

このカエルには、まだ名前がありません。何か良い名前があったら募集いたします。

ぜひ、受診の機会がありましたらご覧ください。



近くに田んぼもないのにこのカエルはどこからやってきたのでしょうか?線路を渡ってきたのでしょうか。引き続き見守って行きたいと思います。

by K.T.

2018年7月16日月曜日

当院の看護師2名が高血圧・循環器病予防療養指導士の資格を取得しました。

当院の竹村看護師長、青木看護師の2名は当院の開院前の2017年春から日本高血圧学会の会員となり「高血圧・循環器病予防療養指導士」の資格取得を目指して勉強に励んできましたが、第2回目となる今年の資格試験に無事合格し、資格を取得しました。
この資格は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の改善や予防を目指して、患者さんの指導を行うための専門知識や技術を取得したことを認めるものです。まだ、全国的に取得者は少ない資格ですが、当院では、看護師による生活指導を診療の大きな柱としており、十分な知識を持った看護師による指導であることを証明させていだただいたものであると考えています。現時点で単独での生活指導は行えませんので、当院の受診患者様に院長の診療の診断のもとに、適宜行っています。ご希望になる方は、診察時に遠慮なく院長にお伝えください。
当院の看護外来室です。


2018年6月5日火曜日

ル カレさんとのコラボ企画『減塩フレンチ&ミニ健康教室』のご報告


こちらでもお知らせしていた本格フレンチレストラン ル カレさんとのコラボ企画の『減塩フレンチ&ミニ健康教室』を6月2日(土)に開催しました。




今回も沢山の方にお越しいただき、ありがとうございました。
リピーターの方もいらっしゃいましたが、今回が初めてでお一人で参加して下さった方も何人かおられました。

カウンター席があるので、お料理の間もお隣になった方とお話しされたり、調理を見たり、シェフと談笑されたりと楽しまれていたご様子で一安心でした。



4・5月は『減塩』がテーマでしたが今月と来月は『動脈硬化』がテーマです。

まずは、お料理からいただきます。
前菜:玉ねぎとアンチョビのキッシュ、季節野菜のサラダ添え
前菜のお野菜はシェフのおうちで作られた自家製野菜です。基本的にお野菜は地元のものを使っているそうです。
写真を撮り忘れてしまいましたが、自家製パンも出していただきました。
スープ:人参の冷製ポタージュ

人参の冷製スープは1人分を作るのに、にんじん1本を使用しているそうです。
砂糖は使っていないそうですが、自然な甘みがあり人参独特の臭みもなく本当に人参!?というお味でした。
メイン:信州サーモンのポアレ 焦がしバターソース
信州サーモンは皮がパリパリだけど身はしっとりやわらかでした。数日前から下味をつけるなどの仕込みをしていて、手間暇がかかっているそうです。
デザート:お米のアイスクリーム ルバーブと苺のソース
もち米とコシヒカリをアイスクリームに混ぜ込んでいるため、お米の持っているコクを生かしていて砂糖も最小限とのこと。

美味しかったのはもちろんでしたが、前菜・スープ・パン・メイン・デザートすべて含め塩分量は2g以下とかなりの減塩で作っていただきました。
高血圧の方の目標塩分量は6g/日未満なので、1食2g未満の換算となり理想的な塩分量で仕上げていただきました。


お料理を美味しくいただいた後は、シェフのお二人にオープンキッチンで魚の皮面をパリッと美味しく焼くコツ、バジルソースの作り方のデモンストレーションをしていただきました。
オープンキッチンで実演していただきました
魚はフライパンと油が冷たいうちから魚を置き、低温でじっくりと皮の面から焼いていくのがコツだそうです。
少しずつかき混ぜながらミキサーにかけます
バジルソースは火を使わずミキサーだけで簡単に作れますが、ちょっとずつミキサーにかけるのがコツのようです。

最後に焼いた魚とバジルソースを盛り付けていただきました。

私はてっきりソースはお魚の上にかけるのだと思っていましたが、せっかくパリパリに焼いた皮が台無しになってしまうので、お皿につけるのがポイントだそうです。
一緒に添えてある茶色のソースはバルサミコ酢を煮詰めたものです。
少しの手間が美味しい料理につながっているんですね。

最後に院長から動脈硬化について、佐久医療センター管理栄養士の樋口さんからは脂質異常症における食事のポイントについてのミニ健康教室があり、皆さんメモを取りながら真剣に聞かれていました。

次回は7月7日を予定していますが、すでに定員に達してしまいました。
ただし、キャンセルが出る場合もありますのでご希望の方はル カレさんへお電話をお願いします。
ル カレ 電話:0267−77−7605
ByA.A